〜入社6か月以内での離職が急増する背景とは?〜

「超早期離職」とは?
株式会社Retでは、入社から6か月以内で会社を辞めてしまうケースを「超早期離職」と定義しました。
近年、この離職パターンが増加傾向にあり、特に飲食業・小売業・宿泊業・軽作業などの業種で深刻な課題となっています。企業にとっては、採用・教育にかけたコストが無駄になるばかりか、現場の士気や生産性にも大きな影響を与えます。
では、なぜ若手社員は入社してすぐに辞めてしまうのでしょうか?
原因① 入社前のイメージと入社後のギャップ
求人広告や面接ではポジティブな側面が強調されがちです。その一方で、入社してみると以下のような「リアル」に直面し、失望を感じる人が少なくありません。
- 想像以上に忙しい現場
- 思ったより人間関係がドライ
- 成長支援が形だけだった
- 話が通じない上司・古い社風
特に「聞いていた話と違う」という不信感は、入社早期での退職を引き起こす大きな要因になります。
原因② 世代間ギャップがもたらす、すれ違い
世代間ギャップが引き起こす「すれ違い」
特に超早期離職の背景にあるのが、若手社員と中堅・ベテラン社員との世代間ギャップです。
価値観の違い
中堅・ベテラン世代 | Z世代・ミレニアル世代 |
---|---|
「まずは我慢と根性」 | 「納得しながら働きたい」 |
「叱って成長させる」 | 「対話とフィードバックが大事」 |
「新人時代は放っておかれて当然」 | 「こまめに声をかけてほしい」 |
“普通”の定義が違う
上司側の「昔はこうだった」「これくらいは自分で考えて行動してほしい」という感覚と、若手の「一人で抱え込まず相談したい」「尊重されたい」という感覚が真っ向からぶつかる場面は少なくありません。
言葉の壁もある
「察してほしい」文化の上司と、「明文化・共有」が当たり前の若手。
「ちょっとやっておいて」の一言が、新入社員にとっては非常に曖昧でストレスになります。
原因③ 人間関係とハラスメント
人間関係の悪化や職場内ハラスメントは、超早期離職の直接的な引き金になり得ます。
たとえばこんな声…
- 「上司が話を聞いてくれない」
- 「怒鳴られたり無視されたりする」
- 「ミスをみんなの前で責められた」
特に若手社員は、職場での孤立や過度なプレッシャーに対して耐性が低く、「自分には向いていない」と感じて辞めてしまうケースが非常に多いのです。
現代の無意識ハラスメント
また、悪意がなくても起こる「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」や、「昔はこうだった」という感覚での指導も、若手にとっては精神的なストレスになることがあります。
超早期離職を防ぐには?
職場内ギャップは必ず存在する
経営層・管理職・一般社員では立場が違うため、見える景色や考えていることが異なるのは当たり前、 同じように時代による教育環境や価値観が異なるため、世代間ギャップは仕方ないことです。
「橋渡し」役の存在が“離職”を“定着”に変える
新人と職場、若手と上司——そこには**言葉にしづらい“壁”**があります。
- 「こんなこと言ってもいいのかな…」
- 「あの子、何を考えてるか分からないな」
お互いが遠慮し、誤解し、すれ違う――その**“小さなズレ”**が積み重なると、やがて大きな離職という結果につながってしまいます。
そこで重要なのが、“橋渡し役”の存在です。
橋渡し役が果たす3つの役割:
- 安心して話せる第三者になる
直属の上司には言いづらい悩みや不安も、「話しても大丈夫」と思える相手がいることで、心のガス抜きができます。 - 現場と若手の翻訳者になる
上司の意図や職場の文化を若手に、若手の感覚や不満を職場に、それぞれかみ砕いて伝えることで、認識のズレを埋める役割を果たします。 - 離職リスクの“予兆”をキャッチする
何気ない発言、態度の変化など、日常の中にある「辞めるかもサイン」を見逃さず、早期に対処できる防波堤となります。
まとめ:定着の鍵は「つながり」にある
仕事がきつい、ミスした、叱られた——それだけでは人は辞めません。
「ひとりぼっちだと思ったとき」、人は職場を去ります。
そんなときにそっと寄り添い、「あなたの味方だよ」と伝えてくれる存在がいたら?
それだけで、辞めずに踏みとどまれる人が必ずいます。
だからこそ、橋渡し役は“離職防止”の最後の砦なのです。
会社と若者の未来をつなぐキーパーソンとして、その重要性はこれからますます高まっていくでしょう。
橋渡し役ってどうやって見つければいい?
「新人と職場の橋渡しが大事」とはよく言われますが、
その“役”を担える人材を、社内で見つけるのは簡単ではありません。
上司だと距離が近すぎる。
人事だと現場感が足りない。
かといって、外部の研修講師では一時的な効果しかない——。
そこでご提案したいのが、現場に自然に入り込み、信頼関係を築ける第三者です。
そんな“橋渡し役”を、会社の一員として導入できるのが「りしょっパ」。
「りしょっパ」は、**新人と現場の中間に立つ“サポーター”**を企業に派遣する離職防止サービスです。
- 新人の本音を引き出しやすい聞き役
- 職場の意図を伝える翻訳者
- 離職の兆候を早期に察知する観察者
これらの役割を、“役者・元役者”といった高い表現力と感受性を持った人材が担うことで、ただの制度ではなく、人と人との信頼関係で離職を防ぎます。

早期離職・新人の定着についてお悩みの企業様、お気軽にご相談ください